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よくこんな本があったね。大戦間期の日本陸軍、とういう本です。民政党時代に軍縮と共に大臣文官はもとより、国防省への統合、イアク上奏廃止などの構造改革の案があったと聞いて探し当てました。
当時の軍部は宇垣一成。1868年生まれの藩閥第2世代です。一次大戦の結果、総力戦の時代になり、デモクラシーによる民度向上、自由貿易、産業立国を軍部も認識していた、ということです。対する上原勇作は後の皇道派の源流。同じ国家総動員でも国家社会主義的な統制派とは相容れない立場です。いつしか自由貿易は自給自足経済、自衛圏としての満蒙領有に傾きますが、軍政改革に1947年まで10年をかけるつもりの石原莞爾が張作霖爆殺で思惑がはずれ蒋介石が北閥を開始するとイッキに満州国建設に走らざるを得なくなったのです。皮肉にも佐官クラスが統帥を担っていく風潮は大正デモクラシーの影響だったのですって。歴史は深いね。  

Posted by benhope. at 2020年03月01日12:17